ちょっと立ち話 | 真夜中の不満 | 2002/5


睡眠不足の極悪な生活環境の中、不思議なくらい元気だった夫が体調を崩してしまった。
うつろな涙目。土色の顔色。熱もある。一晩中咳が続いた。
薬もいろいろ飲んで、案外早く解熱したけれど 喘息のような咳はなかなか取れない。
ありったけのしぶきを撒き散らす咳。この飛沫が私達への感染の源なのに・・・
寝たら治るわ〜という私の献身的な介抱のお蔭で 咳も軽くなりよく眠れるようになったようだが、
今度は鼻がつまり、いつものいびきは、食用カエルのソロからカルテットに変わった。
もともと夫はいびきがひどい。酔って寝た時はもっとひどい。
並んで寝ている私はたまったもんじゃない。
つんつんとつつくと、一瞬いびきはおさまる。
しかし、ものの何分かしないうちに、またガッ ゴッとはじまる。
うるさい!というと、またしばらく止んでいるが、これも何分ともたない。
きっとわざといびきしてるんだわ。
鼻をつまもうとしたけれど、中年おやじの鼻は脂っぽい。
以前 不用意にも素手でつまんで ぬるっとしていやだったからティッシュでつまんだ。
「なにするんだ!いい加減にしなさい!」・・・・・・で、
次の日 ”つまった鼻すっきり。いびき静かに”というテープを買って来て、
夫が寝ている間に鼻に貼ったら、気付いて起きてしまった。
「毎夜 毎夜 人の鼻で遊ぶんじゃない!」だって・・
まっ、いびきも自然の摂理ですが。
眠れないから、本でも読もうと思ったけれど、それもできなくて、横目で睨んでいたら
殺気を感じたのか、夫の目がうつろに開いた。
「どうした?」なんて聞く
『どうしたも、こうしたも、あなたのいびきがうるさいの!』
「いびきなんか かいてないぞ」
『・・・・・』

この春、お仲人の経験もしたし、友人が結婚27年の記念日を迎えたし、
私達の20余年の結婚生活も振り返ってみれば
結婚って、一番人に見せたくないところでの付き合いのなんと多いことか・・・
恋人のように、虹の掛け橋を渡る話しばかりをするわけにもいかず、
一番難しい関係に違いない。
「あれほど嫌だったいびきも、亡くなってしまった今となってはそれさえも懐かしくて。。。」
なんてていうことはよくある話しだけれど、
そんな境地になるには あといくつのハードルが待ち構えているのだろうか・・・・・