ちょっと立ち話 | 春の心 | 2002/4


あわただしく仕事を終えての、買い物帰り。
10`のお米と、折らないように気をつけて持って帰ったネギ、ニラ、 インスタントラーメンやら、アップルパン、納豆、キャベツ等々。両手にかけたスーパーのビニール袋の紐が、 腕に食い込んで痛い。
玄関につくまで我慢できず、庭の途中で一息ついた。「あ〜重たい」
2〜3日前に芽吹いたばかりのケヤキの新芽が、黄緑色に大きく開いているのにびっくりした。
黄色のマーガレットが揺らいでいる。足元には紫色のオダマキが華やかだし、紫露草もスミレも。
外になげだされたままになっていたシクラメンが、手入れも何もしないのに、朱赤で鮮やかだった。
赤、青、黄色。庭が3原色そろって浮き立っている。
風はすこし冷たく感じるけれど、本当に春だ!
半袖の私は、溜息とも、深呼吸ともつかないような 大きな息をした。
一昨日、昨日と、ちょっと調子が悪かった。どこがどうこう言うのではなくて、妙に胸がどきどきと動悸が打つ。 夫に話したら、医者みたいに私の脈をとって、「大丈夫!」と笑った。
「寝不足だから、早く寝なさい。」
『いや、このドキドキはやっぱり恋いの病よ。』
『作家の伊集院静さんが”本当の恋いをするなら10〜20代の女性ではなく、40〜50代の女性がいい・・” って言ってたし・・・』
「新しい恋もいいけれど、”ほらあのとき”って言葉だけで話しが通じる人は他にはいないからねぇ」
『それもそうだけれど・・・新しいほうがいいじゃん』
「そんなことはないよ。君のような人はなかなかいないからねぇ」
『それもそうだけれど・・・・笑・・・』
家事をしながら「さだまさし」の”天までとどけ”を聞いて、お調子者みたいに大きな声で歌っていたら
心の中がやっと春らしくなった。
実はね・・・5月連休最後の日。初めてお仲人をする。
もし、歌でもって言われたら、これ歌おう〜っと
『今度の結婚式、一緒に歌う歌、決めない?』
『えっ?お仲人って、歌わない?・・・・・でも案外分からないよ』
『練習しておこうよ 万が一のために』
「万が一もないよ!モーニングや留袖着て、歌う人はいないでしょ!」
(本当は歌うつもりなんて、ないんですよ。) 

出会いはいつでも 偶然の風の中
きらめく君、僕の前に ゆるやかに立ち止まる。
懐かしい風景に、再び巡り逢えた 
そんな気がする 君の胸に はるかな故郷の風

まいあがれ風船の憧れのように
ふたりの明日 天まででとどけ

触れ合いのカケラが、人生をかえていく
言葉でなく、物でもない 一つの出会いから
君さえゆるせば 僕の愛する町が 
胸ときめかせ 君のふるさとになりたがっている 

まいあがれ風船の憧れのように
ふたりの愛 天まででとどけ

春の心は恋する心。
仲人の大役を引き受けたけれど、私は一度もお会いしたことのないお二人
お幸せに!と 精一杯の想いを届けたいと思う。

春の心は3原色 どれほど混ぜれば あなた色