ちょっと立ち話 | 最近思う事 | 2002/1


23:00 夫の遅すぎる夕食に付き合って食卓につき、あれこれおしゃべりして、
こんな時間から台所を片付ける身にもなってよ〜とちょっと愚痴って立ちあがった。
腹7分だった夫が残り物のキャベツの千切りに目を止めた。
『あれを野菜炒めにするかなあ』
「・・・・・じゃあ、豚肉とピーマンも切ってをあげよう・・・・」
「私は別の用事があるから後は自分でしてね」
そう言って鉄板プレートを出すと、夫は楽しそうに千切りにしたお肉や野菜を炒め始めた。
部屋中 焼きそばを作っているような良い匂いでいっぱいになった頃
高校受験を控えている娘が匂いに誘われて居間に下りてきた。
今食べると太るとか、野菜だけだからとか、いろいろ言ってたけれど
私が部屋に戻った時には 結局 父娘が食卓でプレートを囲んでいた。
いつもまともに顔を合わせることがなくて、陰口ばかり言っているけれど、
今日は結構話しが弾んでいる。
「お母さんはお風呂に行くから、適当にしてね」そういって 私はその場を離れた。
お風呂で肩まで浸かっていると、夫の楽しそうな笑い声と、それに相槌をうつ娘の声が聞こえた。
「なに食べてるの?」って いつも 間の悪い息子も下りて来て、
インスタントのコーンスープを作り始めた。全員集合午前1時
夫はTVの前で横になると直に うたた寝をはじめた。
一体どうなってるの?・・・こんな時間に集合して・・

娘が風邪引くよと父親に声を掛けて毛布を持ってきて、
息子が座布団を二つに折って父親の枕にした。
小さなときから、お父さんは”忙しい人”ということをうえつけられていて
一緒に過ごした時間は思い出せないほどしかない。
甘えることのない父子の関係を心配していたこともあったけれど、
案外やさしい子達になっていて、ちょっと嬉しかった。

父親の直接参加の子育てやら、スキンシップの大切さやら、団欒の大切さやら
言われることは最もで、なんの反論意見も持たないが、
そんな理想とおりのことが実践されている家庭なんて、どっこにもない。
母と子だけの家庭もあれば、父と子だけの家庭もある。
父親の単身赴任で別々の生活もめずらしく無い。
あえて幸せのマニュアルに合わせようとすると、どこかに不協和音が鳴る。
いろいろなマニュアルにうろたえて、あたふたするより、
多種多様化している生活を自分達の見識で見直し、
人真似でない自分達のあり様を形作る 繊細な感性が一層問われるように思う。
多少の歪みががあったとしても、いいじゃん〜
笑い飛ばすだけの度量のほうが、もっと大切だと この頃思う。