ちょっと立ち話 | 年頭所感 | 2002/1


1月2日、3日。毎年楽しみにしている箱根駅伝。
毎年、言葉にならない想いを残す。
お母さんは泣くために見てるようだねって、娘に言われながら
放送が始まると同時に私はTV正面に陣取って、淡々と走る選手達を、何時間も見つづける。
今年はスタートすぐに法政大のエース徳本選手が途中で肉離れを起こして棄権してしまった。
監督の差し出す手からのがれようと、逃げるように走る姿に、放送開始早々から泣いた。
「後輩達が楽な走り出来るよう、タイムの貯金をする為に頑張りました。」
「先輩達の想いをつなげる為に走ります。」
こんな言葉を聞く毎に、涙が出る。
毎年、毎年 緊張する8区ー9区ー10区
トップからの時間差が20分を越えたら実行される”繰上げ出発”
コーナーから、選手が見えているのに、審判に促されながら走り始める選手。
タスキを手渡すチームの選手が既に走り出しているゴールで、疲労と無念さで泣き崩れる選手
20数キロを走る中、距離でいえば200m届かなくて、汗の染みたタスキリレーが途切れる。
今年もいくつかのドラマがあった。
汗と涙と鼻水とが混ざってグチャグチャになった顔を、いつまでも見ていたかった。
努力すれば必ず成果は出るもの?人生そんなもんじゃない。
しかし、タイトルは手に入らなかったけれども エントリーされた選手だけではなく、
関わってきた友人達皆が人間として豊なものを育んだに違いない。
若いってすばらしい。いえ若いから素晴らしいんじゃなくて、
遠くを見据えながら、一歩を刻む。淡々と刻む。
純粋に希望に向って、まさに走り続けることがすばらしい。

今年、50歳のお誕生日を迎える。記念すべき年。
半世紀近く生きてきて、”人生こんなものさ”ってしたり顔しているけれど
知らないことは、たくさんある。やりたいことはある?有る!まだ走る力ある? ある!
失敗しても、笑い飛ばせる度量は充分にある!
さて今年は・・・・
私もあの選手のように、遠くを見据えながら、一歩を刻む。淡々と刻む。
希望に向って、純粋に走り続ける!
お母さんのは、悪巧みでしょって、子供が笑った。夫は傍でうなずく。しかし
私は今年も走るよ。タオルをもって私を追っかけてこないでね。倒れたっていいんだから・・・・・・
いえ、倒れたら酸素吸入くらいしてね。・・・・して下さい。
もし・・・人口呼吸が必要な程だったら、mouth to mouth にしてもらってね。