ちょっと立ち話 | テロ事件に思う | 2001/9

2001年 日本時間で9月11日夜半。アメリカ、ニューヨーク、マンハッタン、経済を象徴する巨大ビル。
同時刻に4機の旅客機がハイジャックされる。
そしてそれぞれの旅客機はお客を乗せたままそれぞれの目的の建物に激突する。
ゲリラによる無差別テロ。死者数千人にもおよぶ。

TVから流れてくる事件報道の映像は、パニック映画のワンシーンのようであり
13日読売新聞紙上、破壊されたビルに取り残された人々が窓、窓、窓から
身を乗り出して助けを求めている拡大写真は、さながら地獄絵図以外のなにものでもなかった。
誰一人として、助かることはなかっただろう。
パレスチナ現地の人々と言えば 子供に至るまで、今回のテロ成功を喜んでいた映像に、
これはまさに戦争なのだと思った。
湾岸戦争以来、パトリオット、ピンポイント攻撃などターゲットをしぼっての攻撃を
アメリカはアピールし、以来、私達の目の前で繰り広げられる戦闘シーンは、
痛みのない作りもののようになってしまっているが、その実際も明らかではない。
中東の情勢は宗教や経済など旧約聖書の時代にまでさかのぼる色々な歴史が混在して
詳しく勉強しないと分かりづらいことが多いが、
私達はアメリカ側からの報道だけではなく、
テロ行動にかりたてられた側のくわしい状況も知る必要がある。

しかし、わかり難いことが多い。
・あれほどのIT技術を持つアメリカ。テロ発生後、短期間で実行犯を特定できているのに
未然に阻止でなかったのは何故か。
・何故4件ものハイジャックを同時に成功させてしまったのか
・用意周到な準備をしたテロ犯たちも、なぜ簡単に移動に使った車を乗り捨ておまけに
操縦マニュアルを残したりしたのか。
今回の被害、アメリカが惨状の地になってはいるけれど、ターゲットとされた貿易巨大ビルは
純粋なアメリカ企業の物ではなく、世界中から集結する無国籍ビルであり、
アメリカの被害というより 被害は世界各国に及んでいる。
結果、NATO、また他の国々のテロ報復の協調を得られることとなり、
アメリカは一挙に正義となった。
ペンタゴンにしても、アメリカほどの国。最重要なものは地下で作動していたはずであるし
地上建物の破壊くらいで、機能ダウンするはずもない。
厳しい目でみると、アメリカは実際の被害というより、
大国としての威信を脅かされたという意味合いが濃く、アメリカ国民の結束は一層強まった。
ハイジャックがいとも簡単に成功してる事、破壊されたのが世界各国の集まるビルであったこと、
身元を知らせんが為のような車が放置されていたこと
すべて計画されたような図式に、偶然と言えない恐ろしさを感じる。
80%以上のアメリカの人々は報復に賛同し、政府もそれにむけての準備を始めているという。
報復と銘打った戦争の始まりなのだろうか。
国と国との間の利害関係の狭間で、罪のない人々の無意味な流血があり、
幾千もの悲しみが交錯する。

私は一連の報道をみながら、
旧約聖書のソドムとゴモラの町が神によって崩壊させられる話を思い出していた。