ちょっと立ち話 | 女なればこそ・・ | 2001/9

『最近見かけないんだよねぇ』
だれ?
『僕がかわいいっていってた総合事務の若い子』
ああ、はやくに結婚相手がみつかりそうだって子?
『そうそう、ここ2ヶ月くらい見かけてないんだよね』
じゃ結婚されたんじゃない?
夕食後、煙草の煙をくゆらせながら、夫がしゃべりはじめた。かわいい子なの?
『うん、おとなしそうだけど、なかなか気が効いていて、良く働くし、かわいいよ。』
どんな子?
『君に似てる。』
ちょっと聞いていい、私とどっちがかわいい?
『もちろん彼女に決まってるでしょ。21歳だよ。』
まあ〜ぬけぬけと、失礼ね。21歳の子と48歳じゃ勝負にならないくらい分かっているから、
君の方がかわいいよくらい言えばいいのに、私も女だという事を忘れてるんじゃない?
『笑。。。』・・・・ったく男って生き物は。
妙な会話だけれど、私はこんな話も楽しい。
どこを探しても女房以外の女性には全く関心がない男性は見つからないだろう。
男らしく自然な事を汚らしいと思うことは不自然だし、女の自然な感情も淫らであるはずもない。
夫婦の間でそういう姿をべつに隠す必要がない。加藤諦三氏の本の中にもそういうくだりがあった。
そんなちょっと無遠慮な態度が許せるのも、女房、女なればこそって思うのです。

もう何年も前、本だったか なにかの雑誌に掲載されていたのだったか忘れてしまったけれど
「たかが男は消耗品」という文章に出会った。村上龍氏の著書に同じ題名の作品があるけれど、
もっともっと昔のものだから、それとは違う。
消耗品にすぎないものを、後生大事にしまっておいては、かえってその価値をうしなう。
だから、自由なものとして放りだし、好き勝ってにさせれば自ずと生き生きとしてくる。という話
これは私の人生訓の一つになっている。
失礼だけれども、男って生き物は、案外夢みがちで、小心物。おまけに甘えん坊。
僕が、俺がって強がっていても、所詮、お釈迦さまの手のひらの孫悟空さ!
夫をおもいっきり”よいしょ”して、部屋をきれいに片付けたら、私はちょっぴりおしゃれして、
読書好きなおばさんを装って古本屋さんで時間を過ごした秋の日。
なんだか、こう、いい気持ちだった。