ちょっと立ち話 | 兄・弟・妹 | 2001/8

夏休み、長男が帰省して家中すこし華やいだ。
おにいちゃん大好きの弟、妹たちはゲームのこと、CDのこと、それぞれがあれこれと話し込む。
春休みにも会っているのに、手を合わせて大きさ比べをしたり、身長を測ったり
お前〜骨太だなあ〜。 そりゃ失礼よ。俺よりでかいなあ〜。まだ伸びてるよ。
「お兄ちゃん・・・・・・お兄ちゃん::::::お兄ちゃん、、、、、、、」
私は台所にいながら、とどいてくる笑い声や、おしゃべりを聞くのが楽しい。
大きな笑い声がきこえてしばらくして、今度はなにやら険悪な空気が流れてきた。
・・・・聞き耳を立てた。・・・・・
どうやら、中3の妹に 帰省してきた大学3年生の長男が説教しているらしい。
末娘は、アニメのキャラクターを書くのが好き。腕前もなかなかなものだと私は思っている。
しかし、兄には、どうもマニアックな趣味に思えたようで、その是非についての説教の様だった。
自分が一番好きな事で、しかも自信があることを、こてんぱんに咎められたものだから
娘もしばらくは反撃していたが、6歳も年上の兄を論破できるはずもなく、
半泣き状態で、自分の部屋に入り込んでしまった。
私は彼女が部活にも勉強にも日々全力投球しているのを知っているし、
生徒会の執行部で骨をおっているのも見ている。だから、今回の兄の様子には腹が立った。
私は兄二人を前にして、特に長男の顔を見ながら、
咎めなければならない理由を問いただした。
それぞれの考え方があってしかるべきだし、その違いをどうこう云うつもりはなかったが
ものには言い方、やり方がある。
逃げ場がないくらいこてんぱんに追い詰めるのがいいとは思わない。だんだん声高になる。
『言い過ぎてごめんね』ってくらいは言ってやってね。っといって話はやめたが、
兄弟妹の中に親の私が介入し過ぎて、混ぜっ返すのは本意ではない。
半日もしないうちに、いつもの楽しそうな3人に戻っていて嬉しかったが・・・

悩んだり、悲しんだりしている子には 真中ストレートの速球を投げて、
ホームランを打たしてやろうと思う。なんとか自分の力で元気を取り戻してもらいたいと思う。
しかし 今元気いっぱいの子には、(自信があることはよいことだけれども)
自分の考えが、すべてまかり通るとは思って欲しくないし、
そうではない、他の考え方もたくさんあると、実感して欲しい。
しかし、そんなこと、百も承知さって、言うんだろうか。
子供が幾つになっても、子供を見守ることには終わりがない。
ときには ストンとおちるフォークボールでも投げて、三振を取ってやるつもりでいる。