ちょっと立ち話 | 門限 | 2001/7

うちには、門限がない。
「基本的には、何時に家に帰っても、まあいいでしょう。しかし、
自分で自分を管理する力が試されるわけで、
親といえども、人に管理されることはある種 屈辱でしょ」と話してある。

上二人、男の子という事もあって、
塾帰り、友人と話し込んで12時過ぎに帰ってきたこともあるし、
遠方の花火祭りに行って、最終電車で帰って来たこともある。
隠れてタバコ吸ったりしている臭いもないし、異姓との、好ましくない交際の臭いもないし、
楽しさのあまり時間を忘れた・・と理解して「ちょっと遅いんじゃない?なにしていたの」くらいで、
あまり、叱ったことも無い。
ちょっとした失敗を繰り返して、上手に時間も考えられるようになっていると思う。しかし、
末娘中学3年生、となると、心配も多しちょっと様子が違う。
今日も、友人の町内のお祭りがあるというので、夕方から自転車で出かけていった。
9時くらいには帰ってくるだろう、と思って入たが、帰らない。
10時。まだかえらない。こんなご時世、だんだん心配になってきた。
「門限がないからって、遅過ぎるんじゃないか!」父親の声に刺が出始めたので、
内心心配でたまらなかったが
『帰ってる途中でしょ。事故にあわなければいいけれど』と のらくらしていた。
10時45分。やっと娘からTELが入った。
「こんな時間まで、なにしてたの?心配するから早く帰りなさい」
乗っていった自転車は友人の家に置かせてもらって、私が車で迎えに行くことになった。
お祭りのあった神社の場所まで、兄が案内してくれたが
「お父さん大分怒ってたから、口答えしないで、あやまりなさいよ」
「おまえなあ。僕は水郷祭のとき12時に帰ってひどく叱られたんだから、
こんなちいさなお祭りで11時は、ひどすぎるなあ
どんなに叱られても、素直にしかられろ!」と兄からの有益なアドバイス。
自分が悪いのは百も承知、と観念してお父さんの前。
「最近はいろいろな事件が起きているから、こんな時間は、よろしくない」
と言われただけで済んでほっとしていた。
そのあと、今日の楽しかったあれこれを身振り手振り、かき氷のこと、たこ焼きのこと、
神主さんのこと、ひとしきり話して部屋にもどった。

心配な事も多いけれど、やっぱり門限は作らないでいよう。
今日 もう一度そう思った。
しかし、最近頻繁に起こっているような事件、悪魔の手から、
どうぞ彼女を守ってと 誰へともなく祈った。