ちょっと立ち話 | 大切な心 | 2001/7

なんだか、学校の裏庭みたいだけれど、庭に”しゅろ”の木がある。
その”しゅろ”の葉は、茎が固く、乾燥させると、硬さは一層増して扱いに困るほど。
おおきくなったこの”しゅろ”の葉を切り落としていた時、
友人が買い物ついでに立ち寄った。「この”しゅろ”の葉で、ハエ叩きがつくれるよ」
あれこれ話しを聞いて、作り方を教えてくれたが、
私がぼーっとして聞いていたのでいらいらしたのかしらん
「じゃ、作ってきて上げるよ」という事になって、
彼女はさっそくこの”しゅろ”の葉を持ち帰った。
それから、一ヶ月くらい経った日、
彼女は出来あがったハエ叩きを持ってきてくれた。
よく乾燥させて、葉の部分を編んだのだという。
へぇコリャ、すごい。う〜〜ん、唸った。

庭の”しゅろ”の葉
出来あがったハエ叩き

彼女が現われなければ、”しゅろ”の葉は短く切り刻んでゴミ袋行きだったはず。
それが、こんな姿に変わり再び生きかえっているのですから、もう、感動してしまった。
昔の人の知恵です。
日々便利さとか手軽さとかばかりに気を払って、
手間暇かけることの大切さを 忘れてしまっていた。

生きとしいけるもの、全てに命がある。
シャーマニズム思想などとたいそうな話しをするつもりはないが、
手塚治虫や、宮沢賢二にみるように、自然のサイクルを大切にして
最も大切なものは何なのか、考えながら生活したい。