ちょっと立ち話 | ちょっと幸せ | 2001/6

スーパーの買い物帰り、屋上の駐車場に行く為エレベーターを待っていた。
赤ちゃんを連れた人、あとは私とおなじ歳格好の人3人、あわせて4人、
それぞれが、それぞれにいろいろで、とりたてて変わったことはない。
やっとエレベーターが下りてきて、扉が開いた。
ショッピングカートが満載されていて、びっくりしたけれど、
きっと係のおじさんも一緒に下りて来ていて、
カートは運び出されるのだろうと思った。 しかし、誰もいない。
”どうするの、これ・・・・” たぶん同じ思いで、4人は顔を見合わせた。
係のおじさん、階段使って下りてくるのかなあ。しばらく様子をうかがっていたが、
・・・・・・・だれともなく笑いが出て、だれともなく、「しかたないねぇ」
「運びましょうか。」
赤ちゃんを連れた人が、エレベーターの”開く”のボタンを押し続け、
他の3人がカートを運び出した。そのままそこに置いておくのもなんだし、
結局、所定のカート置き場まで、ごろごろ運んで、並べた。
係のおじさんの姿は見かけないまま一仕事終えた4人は、
エレベーターに再び乗り込んだ。
緊張がとけたように、みんな照れ隠しみたいに笑った。それから
4人は屋上に着き、それぞれが軽く会釈して、わかれたけれど
私は帰りの車の運転中も、夕飯の準備をしている間もちょっと幸せだった。

なにが、どう幸せなのか説明がつかないけれど、
何もなければ、一緒に笑うこともない4人が、偶然のきっかけで、
同じ気持ちになれたことに、ちょっぴり感動したのかもしれない。