ちょっと立ち話 | 僕の好きな人 | 2001/1

長男の誕生日が近づく。
2月の初旬、20才を迎える。
いろいろな事がありすぎて一度に話そうとすると、混乱するが
彼のいろんな表情だけは、一瞬に浮かぶ。
困った顔や、理屈を言う前のちょっとしかめた顔、
ニヤニヤした顔、大口を開けて笑う顔、頑張ってる顔
泣いた顔でさえ何種類もある。あげれば、きりがないが
いつ、どんな時の表情だったか、はっきりしない。
きちんとした躾も忘れて
私はあの子の表情ばかりを見て大きくしたのかなあ

彼が幼稚園の年長で、次男がまだ、1歳と6ヶ月のころ、
私と彼、次男の3人で、お風呂にはいっていた。
どんなことだったのかは覚えていないが、彼が弟にちょっと悪さをしたら、
弟は声を上げて笑った。
弟が笑い、彼が笑い、私が笑い、また弟が笑い
繰り返しているうちに、夫が帰って来た。
まだ、そのころは、官舎に住んでいたので、2階までの階段を上りながら
私達の笑い声を聞いたらしい。
帰ってくるなりお風呂に顔を出して、私達の様子に夫もまた笑った。
その時、長男はうれしそうにこう言った


よしろうが笑うと
ぼくが笑って
ぼくが笑うと
おかあさんが笑う
おかあさんが笑うと
おとうさんが笑う
みんなが笑うね

丁度そのころ、「僕、私のすきな人」という題目で、詩や絵の募集があったので、
「このまえ、お風呂で言ったこと、ちょっと書いて」
大、小、おまけに鏡字(さかさまの字)まじりでやっと書いて、詩の部門に応募した。
なんと、某新聞社社長賞を頂いたが、
賞を頂いた事よりも、みんなが私を応援してくれてるように思えたことが
なによりも嬉しかった。
どの子もたくさんの言葉を残してくれる。
私は子供たちに何を残してやれてるのかなあ