ちょっと立ち話 | 夕飯風景(喧喧諤諤)・・・ | 2001/1

「賢者の贈り物」( オー・ヘンリー著)は皆さんよくご存知の物語ですが、
このお正月、長男も帰省して家族勢ぞろいした時、夕食の話題になった。

若くステキな夫婦
1ドル87セントしかない、でも、愛する人にどうしても最高のプレゼントをあげたい。
お互いに自分の最も自慢にしているもの−彼女は髪を、彼は金時計を−を売って、
最愛の人へのクリスマスプレゼントを用意する。
彼女は金時計のためのチェーンを、彼は髪飾りを買う。
結局入れ違いになり、金時計のための鎖も美しい櫛も、
すぐには役に立たないものになってしまう。・・・・・という物語。

「ああ、若く、ステキな夫婦がプレゼント交換する、あれね」
「ブロンズの髪に飾る髪飾りを御主人が買い、懐中電灯のチェーンを奥様が買うという・・」
「???」
「ブロンズじゃなくて、ブロンド・・・・。
懐中電灯じゃなくて、懐中時計・・・また、バカ言って・・受けねらい?」
「ち・が・う!」
「じゃ、本当のバカじゃん!」
「・・・・・・・・・・」「まあ、まあ・・」
「幸せは豊かさの中にあるんじゃないってこと」
「でもねえ、なにがほしい?って聞かなかったの?」
「びっくりさせようと、思ったんじゃない?」
「でもね、髪を切っても、一年もすれば、また長くなるから、いいけどさ〜」
「そう、そう金時計は、もう買えない。」
「仲が、良い時にはいいけれど、けんかした時なんか、思い出すとマズイよね」
「そう言う人達は、けんかなんかしないの!」
「まさかあ」「喧嘩はする」
「それにしても、自分勝手よね」
「どうして?」
「本当に相手のことがよく分かっていたら、・・・」
「ひょっとして、彼女、髪を切ってチェーンを買うかもしれない・・」
「ひょっとして、彼、金時計を売って髪飾りを買うかもしれない・・・」
「・・と、深読みをする!」
「どっちにしても、分かりそうじゃない〜?」
「毎日話ししてたらねえ」「そうだ!そうだ!」
「実は、全部自分勝手な判断だったりして・・・・」
「イメージだけの世界よ〜」
「そりゃ、言い過ぎだ。」
「私、髪飾りがほしいけれど、」
「ぼくは、金時計のチェーンがほしい」
「じゃ、毎年一つづつ買うか!」
「そうそう、私、髪を売ってチェーン買ってあげるわ!」
「えっ、そりゃ悪いよ!」
「プレゼントは止めにして、ふたりでココアでも飲みながら、
ゆっくり夜空でも眺めるとか・・・・・」
「あっ、ワインがいい」
「1ドル87セントあるんだから、そのくらいのワインをねぇ」
「ワインって、いくらぐらい?お母さん?」
「高ーいのから、安ーいのまでいろいろ。でもこの時代はどうだろう・・」
「愛し合うふたりなら一緒にいるのがいちばんじゃない?」
「・・・・・・」

わいわい、がやがや、
芝居じみた会話も登場した。
オー・ヘンリーも苦笑い。
やっぱり、「あ、うん] の呼吸は若い夫婦には無理よ!
自分の事はちゃんと話すべきだ!どんな事でも話あおう!で、おわり。