ちょっと立ち話 | 若い力 | 2003/8


ばたばたとして帰宅したのが15時すぎ。見るつもりも無いTVのスイッチを入れた。
異常気象の長雨で順延された高校野球の試合が終わったばかりで
合掌して深く頭を下げたナイン達の姿が映し出されていた。
合掌はこの高校のしきたりなのだろう。 額には汗がひかり、合掌した両手には土が付いている。
いつもながらの熱い高校野球児達。 素晴らしい投手戦だったようだ。
17個の三振を奪いながら、延長11回の裏 サヨナラ負けをした投手は
こらえてもこらえても抑えきれない涙を手で拭っていた。
「打てるものなら打ってみろ!そんな気持ちで投球しました。」というコメントを残した。

8月初旬 弓道で高校総体に出場する娘の応援に 一路長崎に向った。
始めてみる弓道の大会はまさに”精神の勝負”といった感じで会場の空気も張り詰めていた。
行く前に「私がダメでも、試合を楽しんだら良いよ〜」なんて、娘から言われていたけれど、
当の本人より緊張した私はそれどころじゃない。
満座の重い空気の中。一本一本射る姿は、そこだけが神々しくて、息が詰まる。
日常の生活では決して見ることのできない姿がそこにあって、本当に綺麗だった。
思い通りの結果が出せなかった娘は控え室を出た所で泣いていたが
私を見ると「お母さん。最後の一本は快心の射だった。」と言った。
彼女の射る一本の矢は私の心まで見事に射抜いた。
部活頑張ったって、どうせ・・・・そんなに張り切っていたってどうせ・・・
どうせ・・・なんて失礼な言葉。いままでひどいこと言って、ごめん

震える心が直に伝わって来るなんて、若いって本当に素晴らしい。
嬉しかったり、悲しかったり、びっくりしたり。そんな感情は日々繰り返すけれど
感動!となると、ちょっと難しい。
子供たちの倍以上もの年を重ねてしまったけれど、あの子供達のように、
心は、いつも一途で柔かでありたい。