ちょっと立ち話 | こころの平穏 | 2003/7


「私は冷やっこには”わさび”が無いとだめなのよねぇ」
たったこれほどの言葉が大きなもめごとの種になった。

ある日の夕飯、珍しく夫・娘が揃って3人食卓に座った。
献立もとりたててご馳走ではなかったけれど、それぞれの好物も用意してあった。
「私は冷やっこには”わさび”が無いとだめなのよねぇ」
『君って人は なんとわがままな・・・・』
「わさびがないとダメって言うくらい・・・・なにがわがままなのよ!」
『わがままだから、わがままなのさ』
「はあ〜?あなたはなんでもかんでも そういう言い方をするわよね。」
語気が荒くなる
夫と私のこぜり合いに 娘が混ざってきた。
<もう、やめてよ。お母さんがいっつもそういう反応をするからもめるんでしょ>
「なんで?そういう反応ってなに?」
<こんな家 ちっとも面白く無いし!><もう、いいわ>
「そんな非難がましい言い方をしておいて、”もういいわ”はないでしょ!」
「それに、わがままだなんて、あなたもあなたよ。自分のわがままは棚にあげといて。。」
夫はだんまりを決め込んでいる。
「悪いのは全部お母さんだっていうの?」 「お母さんが何したっていうの。」
「お母さんが何をしなかったいうの。」
それから、罵声が飛び交って、階段や扉が ドスドス バターンと揺れた。
もともとの原因を作った夫のだんまりに、一層腹が立った。
娘は翌朝も黙秘状態。家中が重い。
些細な事で噛みついて悪かったなあって思ったけれど だからと言って・・・・
私だけが悪いんじゃない。
いや、しかし 一呼吸も二呼吸も置くと、いろんな事が見えてくる。
彼女は高校総体や国体選手の選考あれこれ、勉強との両立。多くのストレスの中にいる。
のんびりとした空気の中で、いろいろ話したかったに違いない。
それなのに、私達夫婦が口喧嘩をはじめたから。。。一層いらいらしたのだろう。
夫への腹立たしさはそのままだったけれど、巻き込んだ娘がかわいそうになった。
小さなころなら、おんぶや抱っこでいろんなわだかまりを解消できるけれど、
大きくなるとそういうわけにはいかない。
かといって、私だけが謝るつもりはない。となると・・・・・・・帰宅する娘を待った。
「原因や言い方はともかく、お母さんはいつも通りに戻るからね。止めようね、こんなの」
娘は黙ったまま部屋に行ったので、長期戦になるのかなって思っていたら、しばらくして
<お母さん今日の夕飯はなに?>
けろっと話かけてきた。

いつも機嫌よく、ほかほかとしていたいけれど、そうそううまくはいかない。
せめて力を抜いてリラックスして 横でのんびりスキだらけの母親でありたいけれど・・
自分のこころ、他人のこころ 心と上手に付き合うのは難しい。

さて 最近”むかつき度"増した夫を どう焼いて食おうか、煮て食おうか・・思案中