ちょっと立ち話 | 不審侵入者 | 2003/5


「かくかく しかじか・・」
『へぇ〜それで・・?』
「で、あれこれ そうなって!」
『まぁ!!』
ということで、私の愛車は廃車になった。もう一ヶ月前。
自業自得で、がまん、がまん、だったけれど、どうにも不便。
お尻の重い夫を「よいこらっしょ」って持ち上げて、中古車を探しに出かけた。
これぞ、営業マンだ!という押しの強い人が現われて、在庫品すべて調べてくれ、
これなら、どうかなって車を2時間後に用意するっていう・・・・
じゃ、見てみるだけ・・と思ったけれど、どうしよう、どうしようと言っている間に、
あれよあれよと契約書が出来あがり、とうとう 買うことになった。
かくして、また自分の車が持てた。
自重の生活をしていたけれど、すぐにぴょーんとなる質の私はうれしくってたまらない。
いろいろ手続きに時間がかかるから、納車はしばらく後になるらしい。
待てない待てない。あれあれ、私の、私の。
で、私はその中古車センターに日参することになった。
といっても、その中古車センターの前を通りすぎてチラッとみるだけだけど。
翌日、”売約済み”という大きな紙が張られて、整備コーナーに置いてあった。
そうそう、あれあれ。あの色あの色
翌翌日。日曜日。早朝5時。部活の遠征に出かける娘を学校まで送っていった帰り
ちょっと遠回りして、私の車をチラッと見ることにした。
昨日まで置いてあった所には私の車が見当たらない。
「あれ?どこに移動したんだろう・・・」・・・中に入ってみよう。
入り口にはチェーンがしてあったけれど、どこからでも入ることが出来る。
私がチェーンをよいこらっしょってまたいだ途端、警報のベルが全館けたたましく鳴り響いた。
なに?なに?いったい何?私のこと?不審者?
チェーンに足をひっかけて転びそうになりながら、逃げた。
車でしばらく逃げたあとも、警報はなりつづけている。
どうしてこうなるの・・・あ〜〜警備の人に追いかけられて捕まったらどうしよう>>>
捕まったら尋問を受けて、・・・まさか警察には・・・
その時の私の格好ときたら、
朝5時過ぎだし、起きたてのぐしゃぐしゃの髪
しわっぽいポロシャツ。下は古びたジャージ
まさに、不審者。もう〜〜最低!!
もし、顔写真でも撮られていたら・・・・・・・・
私のけたたましさに夫は目を覚ました。
「まっ、よくあることだわね。」
『めったに起こる事じゃないだろうさ。』
『中年のおばはんの早朝侵入ってことは・・・』
「でも、私悪い事はなんもしてないよ。」
『無断で侵入しただろうが!!』
「・・・・・・」

数日後、何事も無かったように、納車された。
担当者の日本酒1升のプレゼント付きで・・・何ゆえ・・