ちょっと立ち話 | 深夜の決死隊 | 2002/8


8月に入ったばかりのころ、伸び過ぎた"うばめかし"の枝を剪定しようと庭に出た。
作業を進めて行くうち 庭の奥まった所で、ぎょっとした。あれは・・・なんだ?・・・
すずめの羽を重ねたような模様の丸い貼りぼてのようなもの・・直径25cmくらい。
”うげぇ〜〜!!スズメバチの巣だ!”一瞬戦慄が走った。(スズメバチの巣
極悪のスズメバチ!なんでうちの庭なんかに。
ゴキブリ用の殺虫スプレーを取りに走って、穴に向けていざ!のつもりだったのに、
家にスプレーを取りに帰った間に、奴たち、威嚇体勢にはいったか、
数匹 穴からでて、私の行動を監視しているではないか!
敵を攻略するためには、まず敵をしるべし!である。(スズメバチとは・・・
しかし 調べれば、調べるほど、「駆除はプロにまかせなさい」とある。
私は本来虫好き。駆除できないのであれば、共存はどう?もっと大きな巣にしたい。
しかし、思ったとおり、家族は猛反対した。
殺人鬼を庭に置いておくつもりか!なんていう始末。
駆除は”プロ”って言われてもねェ・・・プロって?誰?
警察、森林組合、市役所。あちこちたらい回しにされて、お蔭様で、『養蜂組合』を紹介してもらった。
駆除のプロは養蜂組合の方。納得して多いに満足した。が
しかし、電話してみると、車で1時間以上もかかる所からいらっしゃるらしい。
駆除は気温の下がった深夜という。。。。ちょっと申し訳ない・・・
「おじさん。そんな遠くからじゃ、もうしわけないです。自分で駆除できれば、試してみます・・・」
『お〜そうしてくれるかねぇ・・・』『方法はね・・・・』
とまあこういう訳で、スズメバチ駆除の”手口”を伝授された私が最高指揮官となり、
駆除決死隊を結成することになった。

さて、スタッフの指名である
「次男!君が一番強健な体をしているし、逃げ足も早いから、穴をふさぐ係になりなさい!」
『なんで僕なん?僕は小さい時からハチに刺されているから、もし今回スズメバチに刺されたら、 ショック症状が起こるかもしれない。だから、嫌だ!』
「じゃ、お父さん!」
『え〜〜そんな・・・』
「だめよ!男の意地を見せなさい!!」

ライトアップ係も必要だった。
気がついて見ると・・あのねぇ ・・・・
登山用のヤッケの帽子まですっぽりかぶり 手袋をしたけったいな男がライト役で遠くにおり、
ノースリーブの軽装の私が、穴をふさぐ棒とスプレーをもって巣間近 1mに接近していた。
「君も肌は出さない方がいいから、準備してきなさい!」
「ったく!弱虫〜〜」
それから、私も夫を笑えないような格好になった。
ワンプッシュ!ワンプッシュの勇気だ!!(スズメバチの巣駆除グッズ

穴にむけ、右手でいっきにスプレーを噴射!
タイミングを逃さず 左手に持ったアルミホイール製タンポンで穴を塞いだ。
巣の中の壮絶な様子が伺える。
うゎん うゎん という羽音。揺れる巣。まったく落ち込んでしまう。
「ちょっとライト係!もうちょっと近づいてちゃんと照らしてよ!」
「恐いのはあなたじゃなくて、私なんだから・・あ〜涙が出そう。手がだるい〜」
何分経っただろう。やっと羽音もなくなり、シーンとなった。
終わった!しかし、なんとも後味がわるい。ここまでしなくても、よかったかも・・・
決死隊コスチュームを脱ぎ捨て、お風呂から出てビールで一応乾杯して、
ことさら夫の布団にとどくくらい 大きな大きな”大の字”になって寝た。

そういえば、結婚して間もないころ、桜見物に行った時
ほら!って毛虫をつまんで目の前にぶら下げたら
「ぎゃっ!刺されたらどうする!」って言って血相をかえたよねぇ・・(笑) 
忘れてました。夫はひどい虫嫌い。ゴキブリも蛾もダメ。
あなたは床の間に座っていてください!!