ちょっと立ち話 | 息子と私の禅問答 |

目が三角になっていた反抗期も、気づかないうちに収束しているようだ。
世に言う、あのこわい年齢。次男坊。10月で16才。
この頃穏やかに話ができる。

ちょっとおいで
あなたが、感じていることの2倍も3倍もお母さんのほうがよく見えてると思うけれど、
お母さんが、今なにを言おうとしてるか、分かる?
『はい。わかります。』
じゃ、そうして。
『はい。』

私は子供が15才の誕生日を迎えた日に、一芝居打つ説教をすることにしている。
長男のときもそうしたし、次男のときも、しかり。
どんな芝居を打つか!・・というと、
家で、一番上等な茶器にお煎茶を入れ、向かい合って座り、
低い声で、話し始める。
(action!)
今日はお誕生日おめでとう。
夜お父さんから、話があるとおもうけれど、さきにお母さんからちょっと。
昔ならば、元服といって、大人の仲間入りが出来るのだけれど、
覚悟の程はどう?
まっね、今の世の中は、大人になるのを、もうすこし待ってくれるけれど
うちは、そうそう甘くないよね。
お母さんたちは、ありったけの愛情を注いで大きくしたつもりだけれども、
どれだけ、気持ちが届いているんだろう。いっぱいの不満があると思うけれど、
人間のする事だから、そこんところは、許して欲しいと思ってる。でもね、
これだけは、自信を持ってほしいのだけれど、お箸を持つことから始まって、
電話の受け方、はさみの渡し方、いろいろあるよね。数え切れないね。
今日までの間に、そういう躾は、100%終っているから、自信を持ってほしい。
どんなりっぱな場所にでても普段のままで、大丈夫。
恥ずかしいような躾はしてないから。
それを、どう膨らましていくかは、今度は、あなたの力量だからね。
勉強のことにしても、ほかのことにしても、細かいことは、もう言わないけれど、
厳しいよ。ね。
失敗して、ぼろぼろになってもそれはそれで、いいから。真剣に生活してください。
まっ、頑張ってください。期待してます。
(cut!)
最初は、ニヤニヤしていても、最後らへんでは、神妙な顔してたから、
私の演技力も相当なものである。
くさいくさい この一芝居があって、あの禅問答が成立する。
しかし、悲しいかな禅問答。私も息子も、全くな〜んも考えちゃいないってこともある。(笑)

人を失望させるのはたやすい。
大きな声で叱責しても、拳固で殴りつけても失望しないけれど、
・・・虐待となると、問題は別のことになりますが・・、
後姿に吐かれたため息とか、斜めの無視した目線。これは、予想外の効果を発揮する。
親なるもの、これは、絶対 心に言い聞かせておかなければならない。
ひょっとして、子供を失望させるのは、私達母親かも・・・・